キーエンス

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微細な段差や多層構造の膜厚を非接触で高精度に測定できるキーエンスの厚さ計(膜厚計)。この記事では、分光干渉やレーザー方式を採用した主なラインナップをはじめ、安定運用を支えるサポート体制や導入事例までを詳しくご紹介します。

キーエンスキャプチャ
引用元:キーエンス公式HP
(https://www.keyence.co.jp/products/measure/laser-1d/)

キーエンスの主な非接触厚さ計

分光干渉変位タイプ
多層膜厚測定器
(SI-Tシリーズ)

イメージ
引用元:キーエンス公式HP
(https://www.keyence.co.jp/products/measure/laser-1d/si-t/)

分光干渉方式レーザー光を使った高精度の変位測定技術により、多層フィルムの各層厚みを非接触で正確に測定できる装置です。従来の透過型測定器で課題となっていた大きなスポット径を克服し、30µmの小スポットと1msの高速サンプリングにより、微細な厚みムラや層構造の変化を「見える化」します。

表面が荒れた粘着層なども、キーエンス独自の光量積算機能によって安定して測定可能。複雑な設定が不要で、誰でも簡単に高精度な厚み測定が行えるのも特徴です。

                   
種類 分光干渉変位方式
測定対象物 多層フィルム、粘着層
測定範囲 0.01~1.0mm (センサヘッドの型式により異なる)
測定精度 公式HPに記載なし
用途 多層フィルムの各層の厚みを内部演算で測定
価格 公式HPに記載なし
製品サイズ 公式HPに記載なし

マイクロヘッド型
分光干渉レーザ変位計
(SI-Fシリーズ)

マイクロヘッド型 分光干渉レーザ変位計イメージ
引用元:キーエンス公式HP
(https://www.keyence.co.jp/products/measure/laser-1d/si-f/)

直径2mmの超小型センサヘッドを備えた高精度な変位計です。近赤外のやさしい光を使って対象物との距離を正確に測定できるため、繊細な部品にも対応可能

また、センサヘッドには電子部品がなく、光ファイバーとレンズだけで構成されており、狭い場所や高温環境、電気ノイズの多い現場でも安定して使用できます。1nm単位の精密な厚み・すき間・段差測定が可能で、最大6カ所の同時測定や高速データ収集にも対応。データは専用ソフトで簡単に取得・管理できます。

                   
種類 レーザー(分光干渉方式)
測定対象物 鏡面・透明体
測定範囲 0.05~1.1mm(厚み測定タイプ SI-F80)
測定精度 公式HPに記載なし
用途 微小段差・ギャップ測定
価格 公式HPに記載なし
製品サイズ 公式HPに記載なし

超高速・高精度レーザ変位計
(LK-G5000シリーズ)

超高速・高精度レーザ変位計イメージ
引用元:キーエンス公式HP
(https://www.keyence.co.jp/products/measure/laser-1d/lk-g5000/)

非接触で高精度な測定が可能なレーザ変位計です。最速2.55µsの高速サンプリングと最高0.001μmの繰り返し精度で、微細な変化も正確に捉えます。

最大12台のヘッドを接続でき、複数箇所の同時測定やライン全体のモニタリングまで幅広くカバー。金属・ガラス・フィルムなど素材を問わず安定測定が可能で、EV部品や医療機器、製造装置など幅広い現場で活躍します。

                   
種類 レーザー(超高速・高精度レーザ変位計)
測定対象物 フィルム、ガラス、合板、電子部品、医療機器部品、金属部品、樹脂部品など
測定範囲 ±0.5mm~±5.2mm(製品により異なる)
測定精度 0.005µm~0.02µm※製品により異なる
用途 幅広い対象物の安定測定が可能
価格 公式HPに記載なし
製品サイズ 公式HPに記載なし
キーエンスの
非接触厚さ計は
微細な段差や多層膜も
安定測定し、精密品質を支援

分光干渉やレーザー方式により、従来困難だった微細な段差や多層フィルムの層厚を正確に可視化できます。再現性の高いデータで、精密部品や複雑構造の検査にも対応します。

小型センサやノイズに強い設計で多様な現場環境に導入しやすく、校正・修理サービスや専用ソフト支援により長期運用でも高精度を維持できます。

非接触厚さ計といっても、計測対象や求める精度によって適した方式は異なります。導入成果の最大化には、使用環境に合った製品選びが重要です。
このサイトでは、「連続生産されるシート材を安定して測定したい」「材質ごとの反射率に左右されず測定したい」「多層構造の膜厚を正確に評価したい」といった計測の対象と目的に応じて選べる非接触厚さ計3選を紹介しています。
特徴や対応方式を比較しながら、自社に合ったモデル選びのヒントとしてご活用ください。

キーエンスのサポート体制

レーザ変位計・膜厚測定器を安心して導入・運用できるよう、充実したサポート体制を整えています。専用ソフトによる設定支援や技術スタッフの迅速な対応、無料テスト機の貸し出しにより、導入時の不安や手間を軽減し、スムーズな立ち上げを実現。

全機種に校正機能を備え、修理・校正サービスにも対応しているため、高精度な測定を長く安定して続けることが可能です。また、USBやEthernet、各種ネットワーク経由でのリモート操作やデータ取得も可能なため、省人化や効率的な設備管理を可能にします。

キーエンスの非接触厚さ計
(膜厚計)導入事例

【電子・電機業界の導入事例】
微細な膜厚を高精度に測定でき製造条件を最適化

電子・電機業界では、透明な多層フィルムの膜厚測定にX線式膜厚計が用いられていましたが、測定スポットが大きく、微細な厚みのばらつきを捉えることが困難でした。

そこで、キーエンスの分光干渉式レーザ変位計「SI-Tシリーズ」を導入。微細な膜厚の変化も正確に測定できるようになったことで、吐出流量や圧力、送り速度などの製造条件を最適化できるようになり、製品品質の安定化と生産効率の向上に大きく貢献しました。

※参照元:測り隊.com(https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure/library/application/thickness.jsp)

キーエンスの会社情報

会社名 株式会社キーエンス
本社所在地 大阪府大阪市東淀川区東中島1-3-14
電話番号 (本社)06-6379-1111
(フリーダイヤル)0120-100-470
URL https://www.keyence.co.jp/
【計測対象別】
非接触厚さ計3選

非接触厚さ計は、計測対象となる材料や厚み・範囲、用途に合ったタイプを選ぶことが大切です。
ここでは、計測対象別に適した非接触厚さ計3製品を
紹介していきます。

連続生産ラインの
薄物シート材なら
『SX-1100』
ナノグレイ
  • 放射線式

    X線やβ線を素材に照射し、透過した放射線量から厚さを算出。
    振動や素材の色に影響されず、安定した非接触測定が可能。

    【こんな用途におすすめ】

    材質が透明・半透明(フィルム、ガラス)、黒色・光沢のあるものを計測したい。
    高速搬送や振動がある連続ラインで、薄物シートのリアルタイム監視を行いたい。

    放射線式
放射線式
揺れ・素材に強い
汎用型モデル
  • 物質を透過し測定するX線式を採用しているため、黒色材、散乱体など素材を選ばず「透過測定」が可能
  • 高感度・高速応答の放射線検出方法「シンチレーション検出器」採用で、金属箔など薄物の搬送系での精度±0.1μmを実現
搬送で揺れのない
厚物シート材なら
『thicknessGAUGE C.LL』
Micro-EpsilonJapan
  • レーザー式

    上下のレーザー変位センサで表面距離を測定し、その差から厚さを算出。
    非接触でμm単位の高精度測定が可能。

    【こんな用途におすすめ】

    金属・薄いプラスチックで放射線を避けたい。
    静止または揺れの少ない搬送環境で正確に測りたい。

    レーザー式
レーザー式
剛体向け
高精度モデル
  • 揺れのない対象物に精度の高い計測ができる「三角測量方式」を採用し、システム
    精度±1/±5μmを実現
  • 金属・木材・プラスチックなど、一般的な工業材料に対応し、材質ごとの反射率の違いに左右されにくい安定した測定ができる
化学組成の異なる
多層フィルムなら
『赤外線極薄厚さ計IRMT01』
チノー
  • 赤外線式

    素材が特定波長の赤外線を吸収する性質を利用し、層ごとの厚みを測定。
    多層フィルムの非破壊・非接触測定に向いている。

    【こんな用途におすすめ】

    コーティング膜や電池電極など多層を見分けたい。
    極薄膜をリアルタイムでモニタリングしたい。

    赤外線式
赤外線式
薄膜対応の
層別測定特化モデル
  • 表面反射を除去して精度を高める「P偏光正反射方式」により、異なる化学組成の層を識別しやすい
  • 10µm以下の極薄膜に対応し、28msの高速更新周期でインライン厚み管理が可能。リアルタイムに変化を把握でき、工程調整や不良発生を抑制