ナノグレイ

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放射線(X線)の透過量をもとに厚みを測定する透過測定方式を採用し、薄膜・多層材・金属箔などの高精度な測定に対応しているナノグレイ。
この記事では、非接触厚さ計(膜厚計)の主なラインナップ、サポート体制、実際の導入事例を紹介しています。

ナノグレイキャプチャ
引用元:ナノグレイ公式HP
(https://www.landingpage-synergy.com/Pm3Aua4w/)

ナノグレイの主な非接触厚さ計

SX-1100

SX-1100イメージ
引用元:ナノグレイ公式HP
(https://www.landingpage-synergy.com/Pm3Aua4w/)

X線を利用し、密度や厚さのわずかな変化を高精度に捉えることができるため、黒色材や薄膜フィルムなど微細な厚さ変化の検出に向いています。

高感度・高速応答のシンチレーション検出器により、極薄材でも±0.1μmの精度で安定して測定可能。搬送中の振動やたわみの影響を受けにくく、厚みや密度といった品質を安定的に管理できます。

装置はコンパクト設計で既存ラインにも後付けしやすく、設置スペースの制約を受けにくいのが特徴。
低出力のX線管と、開放時に自動停止するインターロック機能を組み合わせた多重の安全対策により、外部への漏洩リスクを抑えつつ「管理区域」を設けずに使用できます。そのため専任の放射線管理者も不要で、管理体制の負担を軽減できます。

種類 X線
測定対象物 フィルム・箔など(測定対象に合わせて設計)
測定範囲 公式HPに記載なし
測定精度 ±0.1μm
用途 リアルタイム測定(連続計測)
価格 公式HPに記載なし
製品サイズ X線源部:70×83×250mm/検出部:70×83×220mm

SB-1100

SB-1100イメージ
引用元:ナノグレイ公式HP
(https://www.nanogray.co.jp/products/SB.html)

β線を使い、化学組成に左右されず安定して坪量・厚さを測定できるため、電池材料やセラミックシートなど、ロットごとに性質が異なる製品の品質管理に適しています。

基準物質との比較で厚みを算出する仕組みのため、搬送中の揺れの影響も最小限に抑えられます。また、素材の化学組成に左右されず測定値のばらつきが少ないので、材質が変わっても安定した品質管理が可能です。低出力設計により、放射線障害防止法における「管理区域」の設定が不要な範囲での利用が可能です。コンパクトな構造により、狭いラインにも設置できます。

種類 β線
測定対象物 プラスチックフィルム、電池電極、ガラス繊維クロス、セラミックスシート、銅箔、アルミ箔、ステンレス箔など
測定範囲 0~200g/m2
測定精度 公式HPに記載なし
用途 多層フィルムや電極材の厚み管理・検査
価格 公式HPに記載なし
製品サイズ 検出部およびβ線源部:80×110×235mm(標準)
ナノグレイの
非接触厚さ計は黒色材や
高速ラインにも強い
高精度モデル

放射線(X線・β線)による透過方式で、黒色材や金属箔など光学式では難しい素材も安定して測定できます。
搬送中の揺れにも強く、±0.1μmの高精度でラインを止めずに膜厚を管理できるため、連続生産の品質安定の両立が可能です。

非接触厚さ計といっても、計測対象や求める精度によって適した方式は異なります。導入成果の最大化には、使用環境に合った製品選びが重要です。
このサイトでは、「連続生産されるシート材を安定して測定したい」「材質ごとの反射率に左右されず測定したい」「多層構造の膜厚を正確に評価したい」といった計測の対象と目的に応じて選べる非接触厚さ計3選を紹介しています。
特徴や対応方式を比較しながら、自社に合ったモデル選びのヒントとしてご活用ください。

ナノグレイのサポート体制

仕様や要件が固まり切っていない検討段階からでも相談できる体制を整えています。技術者同士の対話を通じて仕様を一緒に検討できるため、初期検討の段階から具体的な設計イメージを描きやすいのが特徴です。

さらに、実サンプルを用いたテストにも対応しており、導入前に性能や使い勝手を確認できます。

放射線機器に該当する場合に必要な関係機関への届け出も支援。導入後は定期点検や校正調整まで対応しており、長期的に精度を維持し、トラブルを防ぐサポート体制が整っています。

ナノグレイの非接触厚さ計
(膜厚計)導入事例

黒色基材の測定誤差を解決し、
製造トラブルを削減
(粘着テープメーカー)

赤外線を用いて黒色基材へのコーティング厚を測定していましたが、測定誤差が大きく、製造中にたびたびトラブルが発生していました。
SX-1100に切り替えたことで、黒色基材でも±0.1μmの安定した測定が可能となり、製造トラブルが大幅に減少し、原材料ロスも25%削減されています。

※参照元:ナノグレイ公式HP(https://www.landingpage-synergy.com/Pm3Aua4w/)

搬送振動下でも測定精度を維持し、生産効率を改善
(セラミックメーカー)

レーザー変位計では、搬送中の振動によって測定値が不安定になり、工程内での調整や不良対応に時間を取られていました。
SX-1100導入後は、搬送振動下でも±0.1μmの高精度測定を維持できるようになり、安定稼働が可能に。工程改善と歩留まり向上につながり、原材料ロスも18%削減されています。

※参照元:ナノグレイ公式HP(https://www.landingpage-synergy.com/Pm3Aua4w/)

ナノグレイの会社情報

会社名 ナノグレイ株式会社
本社所在地 大阪府箕面市船場東1-11-16
電話番号 072-726-4000
URL https://www.nanogray.co.jp/
【計測対象別】
非接触厚さ計3選

非接触厚さ計は、計測対象となる材料や厚み・範囲、用途に合ったタイプを選ぶことが大切です。
ここでは、計測対象別に適した非接触厚さ計3製品を
紹介していきます。

連続生産ラインの
薄物シート材なら
『SX-1100』
ナノグレイ
  • 放射線式

    X線やβ線を素材に照射し、透過した放射線量から厚さを算出。
    振動や素材の色に影響されず、安定した非接触測定が可能。

    【こんな用途におすすめ】

    材質が透明・半透明(フィルム、ガラス)、黒色・光沢のあるものを計測したい。
    高速搬送や振動がある連続ラインで、薄物シートのリアルタイム監視を行いたい。

    放射線式
放射線式
揺れ・素材に強い
汎用型モデル
  • 物質を透過し測定するX線式を採用しているため、黒色材、散乱体など素材を選ばず「透過測定」が可能
  • 高感度・高速応答の放射線検出方法「シンチレーション検出器」採用で、金属箔など薄物の搬送系での精度±0.1μmを実現
搬送で揺れのない
厚物シート材なら
『thicknessGAUGE C.LL』
Micro-EpsilonJapan
  • レーザー式

    上下のレーザー変位センサで表面距離を測定し、その差から厚さを算出。
    非接触でμm単位の高精度測定が可能。

    【こんな用途におすすめ】

    金属・薄いプラスチックで放射線を避けたい。
    静止または揺れの少ない搬送環境で正確に測りたい。

    レーザー式
レーザー式
剛体向け
高精度モデル
  • 揺れのない対象物に精度の高い計測ができる「三角測量方式」を採用し、システム
    精度±1/±5μmを実現
  • 金属・木材・プラスチックなど、一般的な工業材料に対応し、材質ごとの反射率の違いに左右されにくい安定した測定ができる
化学組成の異なる
多層フィルムなら
『赤外線極薄厚さ計IRMT01』
チノー
  • 赤外線式

    素材が特定波長の赤外線を吸収する性質を利用し、層ごとの厚みを測定。
    多層フィルムの非破壊・非接触測定に向いている。

    【こんな用途におすすめ】

    コーティング膜や電池電極など多層を見分けたい。
    極薄膜をリアルタイムでモニタリングしたい。

    赤外線式
赤外線式
薄膜対応の
層別測定特化モデル
  • 表面反射を除去して精度を高める「P偏光正反射方式」により、異なる化学組成の層を識別しやすい
  • 10µm以下の極薄膜に対応し、28msの高速更新周期でインライン厚み管理が可能。リアルタイムに変化を把握でき、工程調整や不良発生を抑制