ハンディタイプの厚さ計には、超音波で素材そのものの厚さを測るものや、電磁誘導で金属上のコーティング厚を測るものなど様々な方式があります。
本記事では、その中でも特に、光を利用してフィルムやコーティング層の厚さを「非接触」で測定するハンディタイプの厚さ計(膜厚計)に焦点を当てて、その特徴や製品例を解説します。
片手で持てる大きさと重量に設計された、持ち運び性に優れた厚さ計です。主にバッテリー駆動やUSB電源で稼働し、現場や出張先など、据え置き型では設置が難しい場面でも使用できます。
その場で測定できるよう、デジタル表示を採用したモデルが一般的。測定方式は超音波や光学式など多様で、用途に応じて選択可能です。
ハンディタイプの厚さ計は、他タイプと比較して次のようなメリットがあります。
ハンディタイプは本体が小型・軽量で、液晶画面や直感的なボタン操作を備えた設計が多く、片手でも扱いやすいのが特徴です。狭い場所や高所での作業、持ち替えながらの測定にも適しています。
複雑な設定や調整が不要な製品が多く、電源を入れてすぐに測定が可能です。測定手順も簡潔で、研修なしでも一定の精度で使えるため、多くの現場で導入が進んでいます。
据え置き型では測定できない現場や、移動が多い点検業務などで柔軟に対応できる点がハンディタイプの利点です。バッテリー駆動のモデルが多く、配線不要でどこでも測定できます。
自動制御やライン組込みには不向きな一方、即時計測や可搬性が求められる用途では合理的な選択肢となります。複数箇所の厚さをすばやく確認したい場面に適しています。
※画像引用元:大塚電子公式HP
(https://www.otsukael.jp/product/detail/productid/142)
1.1kgの軽量ハンディ型で、光の反射で膜の厚さなどを測る反射分光法(光干渉)を用いた非接触測定が可能な厚さ計です。0.1μmの極薄膜から厚膜まで対応し、最大3層までの多層膜厚を測定対応。ワンボタン操作で素早く測定でき、サンプルに接触せずに使用できます。対象はシリコン・ガラス基板上の薄膜、樹脂・金属のコーティング膜、樹脂フィルムなど多岐にわたります。
※画像引用元:レスターコミュニケーションズ公式HP
(https://www.restarcc.com/products_denshikiki/optoelectronics/thetametrisis/item_162)
約600gのポータブル設計で、USB電源で駆動する厚さ計です。数十nm~数十μmまでの単層膜から最大5層の多層膜まで対応し、非接触で厚さを迅速に測定可能。手持ちツールとして現場での検査にも使え、透明・半透明膜のライン上でのリアルタイム測定にも対応しています。
ハンディタイプの厚さ計は、現場での持ち運びや即時計測に適した手段ですが、すべての測定対象に対応できるわけではありません。透明フィルムや多層膜など、対象の性質によっては測定方式や精度に制約があります。
そのため、厚さ計を選ぶ際は「どのような素材を、どのような条件下で測るのか」を起点に、方式や対応スペックを確認することが欠かせません。利便性を優先しすぎると、測定精度の低下や工程不良につながる可能性があります。
非接触厚さ計といっても、計測対象や求める精度によって適した方式は異なります。導入成果の最大化には、使用環境に合った製品選びが重要です。
このサイトでは、「連続生産されるシート材を安定して測定したい」「材質ごとの反射率に左右されず測定したい」「多層構造の膜厚を正確に評価したい」といった計測の対象と目的に応じて選べる非接触厚さ計3選を紹介しています。
特徴や対応方式を比較しながら、自社に合ったモデル選びのヒントとしてご活用ください。
Q ハンディ厚さ計があれば、ライン上の連続測定も代用できますか?
スポット測定や点検には便利ですが、全数を連続監視したり、測定値を使って自動制御したりする用途には据え置き型が向いています。
ハンディタイプは「必要な場所へ持って行って測る」使い方を前提にし、常時監視が必要な工程ではライン組み込み型と使い分けるとよいでしょう。 比較の前提として記録方法・測定箇所・測定姿勢・接触可否・測定頻度を切り分けて整理すると、持ち運びやすさと測定条件の両方から用途適合性を判断しやすくなります。
Q 非接触のハンディ厚さ計なら、対象物から離れたまま測れますか?
非接触でも、どの距離からでも測定できるわけではありません。
測定方式ごとに適切な測定距離や角度があり、手持ちで距離がずれると測定値が安定しない場合があります。 狭い場所や高所で使う場合は、必要な測定距離を確保できるか、位置決めしやすいかも確認しておきましょう。 記録方法だけを基準にすると測定箇所や測定姿勢による差を見落とすことがあるため、接触可否・測定頻度まで含めて評価すると、持ち運びやすさと測定条件の両方から用途適合性を判断しやすくなります。
Q 屋外や出張先で使う場合は、バッテリー容量以外に何を確認すればよいですか?
使用可能時間に加えて、充電方法、使用温度、粉塵や水濡れへの対応、画面の見やすさなども確認しておくと安心です。
測定方式によっては周囲光や表面状態の影響を受ける場合もあります。 持ち運びやすさだけでなく、実際に使う環境で安定して測定できるかを見て選びましょう。 実際の判断では記録方法、持ち運び、測定箇所に加え、測定姿勢と接触可否の条件差も含めて考えることで、持ち運びやすさと測定条件の両方から用途適合性を判断しやすくなります。
Q 初心者でも使いやすいハンディ厚さ計なら、校正や測定手順は気にしなくてよいですか?
操作が簡単な機種でも、測定前のゼロ調整や基準片による確認などが必要な場合があります。
また、測る位置や角度が変わると結果に差が出ることもあります。 複数人で使う場合は、簡単な機種ほど「誰が使っても同じ条件になる」よう、測定手順を決めておくことが大切です。 記録方法だけで決めるのではなく、測定箇所・測定姿勢・接触可否・測定頻度も同じ前提で確認し、条件差を分けて見ることで、持ち運びやすさと測定条件の両方から用途適合性を判断しやすくなります。
非接触厚さ計は、計測対象となる材料や厚み・範囲、用途に合ったタイプを選ぶことが大切です。
ここでは、計測対象別に適した非接触厚さ計3製品を
紹介していきます。