高精度の厚さ計

目次
全て表示

こちらの記事では、厚さ計における「高精度」について解説しています。高精度と呼ばれるのはどのようなレベルを指すのか、また測定方式(レーザー式、光学式、超音波式)によって異なる厚さ計のスペックもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

厚さ計における「高精度」とは?

厚さ計において「高精度(High Precision)」と呼ばれるのは、サブミクロン(1µm未満)から数µmレベルの測定再現性・分解能を持つものを指しています。また、用途によっては10µm以下を高精度として扱う場合もあります。

測定方式別の高精度と呼ばれる厚さ計のスペック

レーザー式の厚さ計の場合

レーザー式の厚さ計は、レーザー光を用いることで対象物の厚みを測定します。汎用的な非接触厚さ計の方式であり、フィルムや金属箔、樹脂シートなどさまざまなものの測定に用いられています。また、接触せずに測定ができることから、仕上げ面への影響を避けたい場合ややわらかい素材の測定でも活用されます。

レーザー式の厚さ計における高精度帯の目安は、分解能が0.01~0.1µm(10~100nm)、厚み測定精度が±0.5~±2 µm程度とされています。業界では、1µm精度が出るかどうかという点が高精度の境界になりやすいとされています。

光学式の厚さ計の場合

光学式の厚さ計は、測定物に対して広波長領域の光を照射し、膜からの反射光を解析することによって厚さの測定を行う仕組みとなっています。半導体ウェハや光学膜、塗膜などの測定を行うために用いられており、極薄膜の測定を行う場合にも高精度に測定ができる方法です。

この場合の高精度帯の目安としては、分解能が1~10nm(0.001~0.01µm)、厚み精度が±0.05~±0.5µmとなっています。光学式の厚さ計は、ナノレベルまで測定が可能なため、業界では「最高精度」に分類されている点が特徴といえます。

超音波式の厚さ計の場合

超音波式(エアギャップ非接触のレーザー超音波含む)の厚さ計とは、音波の伝播特性を活用して対象物の厚みを測定する方式です。対象物に対し超音波を発信し、内部で反射して戻ってくるまでの時間をもとにして厚みを算出します。

超音波式の厚さ計における高精度の目安は、厚み精度が±5~±20µm程度となります。この場合、±10µm程度を切っている場合には、十分に「高精度」として扱われます。対象物としては樹脂の厚みやゴム、複合材などが挙げられます。

高精度な非接触厚さ計を紹介

高精度・多層膜・非接触 厚み計 157/137シリーズ(日本レーザー)

非接触 厚み計 157/137シリーズ(日本レーザー)

※画像引用元:日本レーザー公式HP
(https://www.japanlaser.co.jp/product/bristol-instruments-optical-thickness-gauge_157-137-series/)

硬質/軟質材料、透明材料の測定が行える、非破壊&非接触厚さ計です。独自の非接触光学技術を採用しており、対象物の損傷・変形なく厚さの測定が可能。高精度(±0.1μm)な測定が可能な点に加え、最大で31層を同時に測定することができます。

測定方式 白色干渉計
測定対象物 樹脂シート、PETフィルム、ウエハ、ガラス基板、レンズなど
測定範囲 12μm〜80mm
測定精度 ±0.1μm
用途 光学部品とレンズアセンブリ:個別部品や多素子スタックに対応
OLED、AMOLED、LCDディスプレイ:ラミネート接着剤を含む全体と個々の層の厚さを測定
コンタクトレンズと眼内レンズ:中央の厚みを測定
医療用バルーンカテーテル:カテーテル本体、ネック、コーンの壁厚を測定
医療用チューブ:チューブの壁の厚さ、外径、内径を測定
価格 公式HPに記載なし
製品サイズ 89mm x 432mm x 381mm

電極箔用 thicknessGAUGE コンパクト型 Cフレーム(Micro-Epsilon Japan)

電池箔の厚みを測定するためのコンパクトなセンサシステムです。ストリップの厚さを検出することが可能な2台の共焦点距離センサを使用。直線軸を使い、thicknessGAUGEセンサシステムを移動させることによって、ストリップ幅全体の厚さを検知することが可能です。

測定方式 公式HPに記載なし
測定対象物 透明および半透明のコーティングにも対応
測定範囲 2mm
測定精度 ±0.4µmから
用途 被覆なし・被覆ありの電池箔の高分解能厚み測定 など
価格 公式HPに記載なし
製品サイズ 公式HPに記載なし

高速非接触厚さ検査装置(丸文)

高速非接触厚さ検査装置(丸文)

※画像引用元:丸文公式HP
(https://www.marubun.co.jp/products/7464/)

非接触の状態で化合物材料の厚みについて高速で測定できる装置です。測定許容角度が広く、ラフ面の測定も可能。対象物によっては、3層までの多層分離測定に対応できるとともに、インラインでの測定も行うことができます。

測定方式 公式HPに記載なし
測定対象物 ウェハ、樹脂、支持基板およびSiC、GaN、サファイア等の化合物材料
測定範囲 最大80mm
測定精度 公式HPに記載なし
用途 公式HPに記載なし
価格 公式HPに記載なし
製品サイズ 公式HPに記載なし
測定方式によって高精度と呼ばれる厚さ計のスペックが異なる

厚さ計における「高精度」は、測定方式により異なってきます。こちらの記事では、測定方式別に高精度と呼ばれる厚さ計のスペックについても紹介しました。厚みを高精度に測定することによって、製品性能の安定化や製造コストの削減などさまざまなメリットにつながることが期待できます。このような点から、厚さ計の精度は製品を選定する上で重要なポイントであるといえます。

非接触厚さ計といっても、計測対象や求める精度によって適した方式は異なります。導入成果の最大化には、使用環境に合った製品選びが重要です。
このサイトでは、「連続生産されるシート材を安定して測定したい」「材質ごとの反射率に左右されず測定したい」「多層構造の膜厚を正確に評価したい」といった計測の対象と目的に応じて選べる非接触厚さ計3選を紹介しています。
特徴や対応方式を比較しながら、自社に合ったモデル選びのヒントとしてご活用ください。

【計測対象別】
非接触厚さ計3選

非接触厚さ計は、計測対象となる材料や厚み・範囲、用途に合ったタイプを選ぶことが大切です。
ここでは、計測対象別に適した非接触厚さ計3製品を
紹介していきます。

連続生産ラインの
薄物シート材なら
『SX-1100』
ナノグレイ
  • 放射線式

    X線やβ線を素材に照射し、透過した放射線量から厚さを算出。
    振動や素材の色に影響されず、安定した非接触測定が可能。

    【こんな用途におすすめ】

    材質が透明・半透明(フィルム、ガラス)、黒色・光沢のあるものを計測したい。
    高速搬送や振動がある連続ラインで、薄物シートのリアルタイム監視を行いたい。

    放射線式
放射線式
揺れ・素材に強い
汎用型モデル
  • 物質を透過し測定するX線式を採用しているため、黒色材、散乱体など素材を選ばず「透過測定」が可能
  • 高感度・高速応答の放射線検出方法「シンチレーション検出器」採用で、金属箔など薄物の搬送系での精度±0.1μmを実現
搬送で揺れのない
厚物シート材なら
『thicknessGAUGE C.LL』
Micro-EpsilonJapan
  • レーザー式

    上下のレーザー変位センサで表面距離を測定し、その差から厚さを算出。
    非接触でμm単位の高精度測定が可能。

    【こんな用途におすすめ】

    金属・薄いプラスチックで放射線を避けたい。
    静止または揺れの少ない搬送環境で正確に測りたい。

    レーザー式
レーザー式
剛体向け
高精度モデル
  • 揺れのない対象物に精度の高い計測ができる「三角測量方式」を採用し、システム
    精度±1/±5μmを実現
  • 金属・木材・プラスチックなど、一般的な工業材料に対応し、材質ごとの反射率の違いに左右されにくい安定した測定ができる
化学組成の異なる
多層フィルムなら
『赤外線極薄厚さ計IRMT01』
チノー
  • 赤外線式

    素材が特定波長の赤外線を吸収する性質を利用し、層ごとの厚みを測定。
    多層フィルムの非破壊・非接触測定に向いている。

    【こんな用途におすすめ】

    コーティング膜や電池電極など多層を見分けたい。
    極薄膜をリアルタイムでモニタリングしたい。

    赤外線式
赤外線式
薄膜対応の
層別測定特化モデル
  • 表面反射を除去して精度を高める「P偏光正反射方式」により、異なる化学組成の層を識別しやすい
  • 10µm以下の極薄膜に対応し、28msの高速更新周期でインライン厚み管理が可能。リアルタイムに変化を把握でき、工程調整や不良発生を抑制