金属箔の厚さ測定は、品質管理や製造工程の安定化に欠かせません。アルミ箔や銅箔などの薄い金属材料では、求める精度や測定対象、製造ラインの条件に応じて適切な測定方法を選ぶことが重要です。
金属箔の厚さを測定する方法には、質量から厚さを求める方法、マイクロメータによる接触式測定、X線式・β線式などの放射線式測定、レーザー式などがあります。
ここでは、それぞれの測定方法の特徴と、金属箔の厚さ測定に関連するJIS規格について解説します。
質量法は、金属箔の単位面積当たりの質量と材料の密度から厚さを算出する方法です。一定面積の試験片を採取して質量を測定し、材料の密度を用いて厚さを求めます。
試験片全体の平均的な厚さを把握するのに適していますが、局所的な厚さの変化を直接測定する方法ではありません。また、試験片の採取や質量測定が必要なため、製造ライン上で連続的に測定する用途には向きません。
マイクロメータは、測定対象を測定面で挟んで厚さを測る方法です。抜き取った試料の厚さ確認などに利用されます。
一方、測定時の接触圧力や測定位置、金属箔の変形などが測定値に影響する場合があります。薄く柔らかい箔では、測定条件をそろえることが重要です。
放射線式は、金属箔にX線やβ線などを照射し、材料を透過した放射線の量から厚さを測定する方法です。対象物に直接触れずに測定できるため、製造ライン上で搬送中の金属箔を連続的に測定し、厚さの変動を監視する用途に適しています。
光学式のように表面の色や光沢による反射の影響を受けにくい点も特徴です。ただし、測定値は金属の種類や組成、厚さなどの影響を受けるため、対象材料や測定範囲に適した装置を選ぶ必要があります。
また、放射線を使用する装置では、機種ごとの仕様や適用される法令・管理要件を確認しましょう。
レーザー式は、レーザー変位計などで対象物の表面位置を測定し、厚さを求める方法です。例えば、金属箔の表裏をそれぞれ測定し、2つの測定値から厚さを算出する構成があります。
非接触で測定できるため、接触による変形を避けたい場合に有効です。一方、装置の構成や測定条件によっては、表面状態や反射特性、センサの設置位置、搬送時の振動などが測定結果に影響します。
導入時には、対象となる金属箔の材質や表面状態、厚さの範囲に加え、設置環境や搬送条件も考慮することが大切です。
金属箔の厚さを規格に基づいて確認する場合は、測定対象の材質や用途に対応したJIS規格を参照します。ここでは、アルミニウム箔とプリント配線板用銅箔に関連する規格を紹介します。
JIS H 4160は、圧延したアルミニウム及びアルミニウム合金はくに関する規格です。厚さの測定方法として、質量法またはマイクロメータを用いる方法が規定されています。
質量法では、規定の面積以上の試験片の質量を測定し、単位面積当たりの質量を材料の密度で除して厚さを算出します。規格に基づいて測定する場合は、適用する規格本文や追補を確認し、定められた試験条件に従うことが重要です。
JIS C 6515は、プリント配線板用銅箔に関する規格です。対象となる銅箔の質量厚さなど、規格で定められた項目や許容差を確認する際に参照されます。
この規格はプリント配線板用銅箔を対象としているため、あらゆる用途の銅箔にそのまま適用できるわけではありません。測定対象の用途や仕様に応じて、適用する規格を確認しましょう。
金属箔の厚さ測定には、質量法やマイクロメータによる測定のほか、X線式・β線式やレーザー式などの非接触測定があります。試料の厚さを確認するのか、製造ライン上で厚さの変動を連続的に監視するのかによって、適した方法は異なります。
測定対象の材質や用途、必要な精度、適用する規格を確認し、目的に合った測定方法を選びましょう。
非接触厚さ計は、計測対象となる材料や厚み・範囲、用途に合ったタイプを選ぶことが大切です。
ここでは、計測対象別に適した非接触厚さ計3製品を
紹介していきます。